相手役を見ないとなぜ楽器が固まるのか?
相手役を見ないとなぜ楽器が固まるのでしょう?
相手役を見ないでいると間もなく
その役者は演技が固まり始めます
見ているフリをしているのも
もちろんいけません
相手役を見ていなくても
小道具などの対象物や
想念であっても具体的に見えていれば
問題ありません
でも
小道具や想念(イメージ)も
見ているフリ…をしているだけなら
その瞬間
役者の楽器*は固まり
演技も固まり
役を生きる(ライブする)ことができなくなります
*「役者の楽器」とは「役者の心身」のことです
役者は自分の心身を奏でて演技します。一種の業界用語です。
*
そんなの当たり前だろう…
と誰もが思うでしょう
演技をしない人でも
「見る」ことの質が落ちれば
そのパフォーマンスが落ちることは
容易に想像がつくでしょう
にも関わらず
役者が
見る対象
(相手役、小道具、想念、その他役者を取り巻く世界にある様々なもの)
を
本当に見ることはせずに
見ているフリをしているだけの演技は
溢れ溢れていますし、かつ後を絶ちません
*
かくいう私も
なかなか「本当に見る」ということは
容易にはできません
言い訳がましいですが
若い頃、甲状腺を患い
その影響で視線の焦点を対象物に合わせることが
困難だからでもあります
ですから逆に
準備をつくして「本当に見る」ことができた時の演技が
そうでない時と比べてまったく異なることも知っています
さほど気にはしませんが
そういう時は、他者からの評価も概ね良くなります
…いつもできないのは悲しいですが
*
ではなぜ
「見る」ことが「役者の楽器が固まる」ことに
繋がるのでしょうか?
アレクサンダーテクニーク教師として
その原理と照らし合わせながら
今回はこのように考えてみます
***
非常にシンプルで大切な事実が一つあります
「目(眼球)を動かす筋肉と
AO関節を渡る筋肉とは神経で直接繋がっている」
…以上
*
「AO関節を渡る筋肉」とは
A(環椎Atlas…C1)と、
もう一つのA(軸椎Axis…C2)と、
O(後頭骨Occipital Bone)をつなぐ筋肉たち
すなわち
小後頭直筋
大後頭直筋
上頭斜筋
下頭斜筋
これがそれぞれ左右二つずつで
8つの頸部の深筋群のことです
(図は記しません。もしイメージできなかったらご自分で調べて欲しいです。そうするとその行動したことが変化成長を後押しします。チャンスです!でも、調べたらこのページに戻ってきてね( ^ω^ )w)
*
深筋なので
外から触れませんが
この8つの筋肉が不必要に縮み固まると
全身に緊張が広がります
頸椎と頭蓋骨の
ちょうど接点でもありますので
この周辺が固まれば
脳へ十分な血液が流れていかなくもなります
だから
私の提供する
<俳優のためのアレクサンダーテクニーク>は
この頭と脊椎(頸椎)との関係性を
最も重要視します
頭が脊椎(頸椎)を押し下げてしまう…のをやめることで
「人間として生来持っている調整機能」を
取り戻すのがアレクサンダーテクニークです
そうして
役者として自分の生物的、精神的、社会的資源を
最大限に活用して演技を楽しみます
*
しかしこの
「頭の押し下げ」
実は
ほとんどの人が少なからずやっていて
ほとんどの人が自覚なく
ほとんどの人が自覚しようとしても認識困難で
そして改善も困難です
(…なんたることだ〜!!!)
まぁ
ですので
そのお助けの仕事をさせて頂くのが
アレクサンダー教師なんです
*
で、これが
実は目の動きと神経的に繋がっているらしいのです
(ごめんなさい!「繋がっているのを俺は見た」とは言えない…)
だから
視覚的にちゃんと
相手役と繋がっていないと
目が
相手の動きを追って
動いていない訳ですから
当然、
そのまま
頸(くび)の深部も
動かなくなり
ゆえに、
役者の楽器全体が
固まりだし
演技もライブしなくなる
…わけです
*
例えば
演技に不可欠な
五感の感度も
鈍ってくるでしょう
さすれば当然、
感情の流れ(表出)も
滞ってくるでしょう
表情も
動きも
固まってくるでしょう
忘れちゃいけません…
呼吸も
十分でなくなり
声の伸びやかさも
失われていくでしょう
*
ある意味
目が動けていないと
役者の楽器(心身)全体が動けていない
ことに
つながるわけです
怖くないですか?
僕は怖いです
役者じゃなくても怖いです
そして僕は怖いから
病気もあり動きづらいから
改善を望んで毎日練習(ワーク)しています
*
かつて
若い頃、演技訓練で講師に
「おいおい、目が引っ込んでるぞ!」
なんて注意されたことがしばしばあります
これは
物理的に「引っ込んで」いる
ということではありません
当然
外見をバカにしているわけでもなく
要するに
ちゃんと見ていないので
「生気がない」
という意味で言っています
演技を指導させてもらうようになってからは
役者の「目が引っ込ん」で
固まっていくのを何度も見ています
基本的にそういう時は
「意識を相手役に戻そう!」
「今、目の前に何があるかな?」
などとアドバイスしていました
でもこれは
人間の有機体のシステムとしても
まんざら間違ってないアドバイスだったんだと思います
*
頭が
背椎の上で
繊細に動けると
役者の楽器全体が
繊細に動けるように
なっていきます
そのために
目を上手に使いましょう
倉持的に更に申し上げれば
役者の目の前にいる相手役
目の前にある小道具
広くは
役者を取り巻く環境や世界を上手に使うことで
役者である
あなたの楽器全体が
ステキに奏でられるように
なる!
…というわけです
アレクサンダー教師、俳優、演技講師
パパ_アレクサンダー
倉持 一裕(くらもちかずひろ)
***
追記として
小クラスのご案内を
パパ_アレクサンダーがリードするクラスでは
この目の動きを使って
俳優の楽器(心身)を開発していく
エクササイズも最近では提供しています
□ 楽器が固いと言われる
□ 感情表現が伝わりづらい
□ 相手役と上手く交感できない
このような方には特に有効です
またこれまで通り
□ 声の通りが悪い
□ アガリ&緊張癖がある
□ 動きや姿勢の癖を改善したい
こういった方へのレッスンも提供します
+++
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〜 俳優さんじゃなくても参加できるよ! 〜
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2019年夏のグループレッスンスケジュール
7月26日(金)
8月 9日(金)
8月30日(金)
いずれも18時45分〜21時15分
場所は池袋駅徒歩5分のスタジオです(詳細はお申込み後)
受講料は当日7,000円(事前振込6,500円)
お申し込み&お問い合わせ
salondecoordination@gmail.com(倉持まで)
*お悩み・ご相談・特に関心があるテーマなどございましたら
お申し込みの際にお気軽にお伝えください。可能な限り準備いたします。
*個人レッスンをご希望の方はご相談ください。
初回限定スペシャルパック(初回限定料金18,000円…税込)
<内容>30分カウンセリングと50分の実践レッスン(スタジオ料金込)
以上宣伝でした
*
まだ梅雨明けませんね
ちょっと南風ふいて
蒸したりして
この焦らさせ感も悪くないかなと思います(^^)